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2025年10月24日

★腱鞘炎について

■腱鞘炎のメカニズム
簡単に述べると、腱が通るトンネルの部分(腱鞘)の炎症のことで、普段は腱とトンネルの部分の動きはスムーズですが、様々な原因で(使いすぎやホルモンの乱れなど)炎症が起こり、腫れて太くなります。 太くなった腱鞘と腱鞘を通る腱がスムーズに動きにくくなってしまい、腱鞘炎になってしまいます。

■産後のお母さんに腱鞘炎が多い理由
① 授乳や抱っこの時間が増え、手首や指に負担がかかるため
赤ちゃんを抱っこしたり授乳したりする時間が増えることで、手首・指・肘に継続的な負担がかかりやすくなります。

② 女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が大きく減少するため
エストロゲンには、腱や関節を柔らかく保つ働きがあります。
分泌が減少すると、炎症が鎮まりにくくなり、筋肉や腱の滑りが悪くなります。
その結果、腱と腱鞘が擦れて炎症が起こり、腱鞘炎につながります。

③ 女性ホルモン「プロゲステロン」の分泌が増加するため
プロゲステロンには腱鞘を収縮させる作用があり、腱の動きを妨げてしまいます。
そのため、腱の滑走が悪くなり、腱鞘炎を引き起こす原因の一つとなります。

④ 運動やセルフケアの時間が減り、筋肉バランスが崩れやすいため
産後は赤ちゃん中心の生活になるため、運動不足や姿勢の偏りが生じやすく、筋肉バランスの乱れから手や腕の負担が増加します。

■自身ができるアプローチ
① 日常生活動作の指導
抱っこの仕方や姿勢の工夫で、手首への負担を軽減します。
授乳時にはまくらやクッションを使用し、肘から手首までがしっかり支えられる高さにすることが大切です。

② ホルモンバランスへのアプローチ
・身体を温めること(血流を促し、ホルモン分泌をサポート)
・十分な睡眠をとること(ホルモンの回復に必要)
・大豆製品を積極的に摂取すること(大豆イソフラボンはエストロゲンに似た作用を持つ)