腰椎すべり症

腰が痛い
腰を後ろに反らすと痛みが強くなる
お尻や太もも、ふくらはぎに痛みや痺れがある
歩くとお尻や太ももに痛みや痺れが出るが、少し休むと回復する
子どもの頃に腰痛に悩まされていたことがある

「腰椎」とは？

一般的に「背骨」と言われるものは専門用語では「脊椎」と呼びます。また、脊椎を構成するひとつ一つの骨のことを「椎骨」と呼び、椎骨は「頚椎」(7個)、「胸椎」(12個)、「腰椎」(5個)、「仙椎」(1個)、「尾椎」(2〜3個)の5種類に分類されます。腰椎とは腰部の位置にある椎骨のことを指します。

腰椎すべり症とは？

通常、脊柱はひとつ1つの椎骨が靭帯や椎間板といった組織により支えられ、1本の脊柱として安定していますが、何らかの理由により椎骨が前後にずれてしまった状態のことを「腰椎すべり症」といいます。

腰椎すべり症は「脊椎分離症」を伴っている「分離すべり症」と、分離症を伴わない「変性すべり症」との２種類に分かれており、様々な症状が現れます。(腰椎分離症については別ページ参照)

※椎間板とは

ひとつ１つの椎骨の間にはクッションの役割を果たす「椎間板」があります。腰椎のみにあるのではなく全ての椎骨の間に存在しています。

１．分離すべり症

腰椎分離症を伴い、それが悪化することで引き起こされるのが分離すべり症です。椎骨の中で「椎体」と呼ばれる円柱状の部分から背中側へ飛び出ている「椎弓」と呼ばれるアーチ状の部分との繋ぎ目に疲労骨折が起き、その隙間が時間をかけて広がることで椎体が不安定となりお腹側へ滑ってしまいます。

２．変性すべり症

腰椎分離症を伴わずに腰椎が滑ってしまうものを変性すべり症といい、分離すべり症よりも発生頻度が高いことが特徴です。

また、明確な原因は現時点ではわかっておらず、中高年の女性に多いことから女性ホルモンの影響を受けることで腰椎を安定させている椎間板や靭帯などの組織が変性し元の形を維持できなくなり滑りが起きてしまうのではないかといわれています。

腰椎すべり症の症状

軽微なすべり症では腰痛が主な症状ですが、すべりが重度になると腰痛に加えて、すべった椎骨が脊椎の中を通っている神経を圧迫することでお尻や足に痛みやしびれがでてきます。また、少し歩くとお尻や太ももにしびれや痛みを感じ、少し休憩すると痛みやしびれが緩和され、また歩き始めて少しすると痛みやしびれが出始める「間欠性跛行」という特徴的な症状もみられます。